南外さいかい市 南外さいかい市とは 地域の事は自分たちで 南外さいかい市の外小友(ソトオトモ)地域は、2013年に唯一のスーパーが廃業し、生鮮食品を取り扱う店舗がなくなった。買い物をするためには車で地域外に行かなければならないが、高齢で車を手放した人も多い。住民の買い物問題は深刻でした。その解決に向けて地域住民が主体となり、18年に「南外さいかい市運営協議会」を設立、翌19年10月に公設民営の南外さいかい市をオープンした。公設民営とは、建物や設備・備品などは大仙市や秋田県の支援を受け、日常の店舗運営は地域住民が自ら行う方法です。 南外さいかい市の誕生 NPO法人 南外さいかい市 事務局長佐々木茂雄 「もともと地域内でのつながりが強く、運営協議会を立ち上げる時もイベントなどを一緒に取り組んできたメンバーを中心に呼びかけました。地域の事は自分たちでやろうという気持ちは強くあったのですが、誰も小売業の経験がなく、果たして運営が成り立つかが心配でした。そこで、試験的な運営を18年12月から約4ヶ月実施したところ、赤字にならなかったので、開店に踏み切りました」この地域にある温泉施設の駐車場の一角に立てた約15坪のプレハブ施設を店舗とし、商品販売などの運営は地域の住民がボランティアで対応することにしました。店舗の名称は皆が再会する場所との願いを込めて「南外さいかい市」としました。県からの協力を受け生協から商品を調達」 県からの協力を受け生協から商品を調達 南外さいかい市運営するスタッフ 店舗の施設や日常の運営はめどが立ったが、最後まで決まらなかったのが商品の調達方法でした。「卸売市場から商品を買い付ける場合、最低限購入しなければならない個数が多すぎる為、販売しきれません。調達数量に悩んでいた時に大仙市が秋田県に相談し、県がコープあきた様に働き掛け、現在の南外さいかい市にいたっています」「南外さいかい市が行う企画に対して生協が応援そのため来店の動機につながる特産物として、クッキーやパウンドケーキを開発・販売。今後は特産物の開発や製造を組込んだ参加型ワークショップなどを企画して、新規利用客を増やし、継続的にご利用いただけるように取り組んでいきたいと考えています」(佐々木事務局長) 南外さいかい市が行う企画に対して生協が応援 コープあきた様からの商品提供がなければ、この事業は成立しません。しかし、この地域にあったスーパーが食料品の販売だけでは採算が合わずに撤退した事を考えると、事業の継続にはある程度の売上が必要です。そのため来店の動機につながる特産物として、クッキーやパウンドケーキを開発・販売。今後は特産物の開発や製造を組込んだ参加型ワークショップなどを企画して、新規利用客を増やし、継続的にご利用いただけるように取り組んでいきたいと考えています」(佐々木事務局長) お互い様スーパーの設置 コープあきた総務部長工藤聡さん 店内の様子。一角をコープコ-ナーとし、のぼりや看板も設置している。 秋田県では地域コミュニティの維持・活性化を目指し、地域住民が運営する【お互いさまスーパー】の設置を推進しています。南外さいかい市様はその3店舗目です。大仙市から連絡を受けた秋田県より協力要請があり、社会貢献の一環としてお受けすることを決めました。商品を実際に供給するには、生協法に基づく員外利用許可が必要。【県との手続きは、南外さいかい市様と販売委託契約を締結し、店の一角をコープコーナーにして供給する事で調整を進めました】商品は基本的に、地域の人たちの要望を基に南外さいかい市の販売スタッフが宅配の注文用紙で毎週発注し、コープあきた県南センター(横手市)から配達。しかし、冷蔵の精肉や宅配での取り扱い頻度が低い商品については、コープあきたの店舗まで販売スタッフが直接調達しに行くこともあります。「地元でとれる野菜や山菜、スタッフが作る惣菜や焼菓子などの商品を除いた食品・雑貨などはコープあきたから提供しています。(工藤総務部長より)高齢者で一人暮らしの方も多い地域ですので、お求めやすい価格や、簡単に食べられる商品などをおすすめするように心掛けています。また、工藤総務部長は「大仙市のある秋田県の県南地域は世帯加入率が約20%と県内では低い地域です。「コープ」といっても、生協・協同組合のことだとわからない人も多いのです。このような地域に商品を提供できることに喜びを感じています。またコープ商品の良さを地域の皆さんに感じて頂く事で、生協宅配を利用するきっかけにつながればと期待しています」。